いつもお世話になっております。

愛知県常滑市の行政書士加藤です。

家

最近、京都市で旅館業法違反のニュースがありましたね。

賃貸マンションの空き部屋を有料で貸し出したことが問題となったものです。

最近、国の政策も絡みよく耳にする「民泊」というものです。

 

民泊って何?

「民泊」を文字通りとらえれば民家に泊まることを意味します。

しかし、ここでは自宅の一部やマンションの空き部屋又は空き別荘等を活用して宿泊サービスを提供し対価を得ることを指すものとします。

この対価を得ることを営業として行えば、例え自宅の一部であったとしても旅館業にあたります。 

 

旅館業法を見る!

まず、旅館業法の目的を知るために旅館業法第1条をご紹介します。

旅館業法第1条 この法律は、旅館業の業務の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発達を図るとともに、旅館業の分野における利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促進し、もつて公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。

次に、旅館業の定義を知るために同法第2条をご紹介します。

旅館業法第2条 この法律で「旅館業」とは、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。

2 この法律で「ホテル営業」とは、洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させるで、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。

3 この法律で「旅館営業」とは、和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。

4 この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。

5 この法律で「下宿営業」とは、施設を設け、1月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業をいう。

6 この法律で「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。

上の条文のとおり、旅館業は「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」と定義されています。

そして、同法第3条により旅館業を経営しようとする者は許可を受ける必要がある旨定められています。

旅館業法第3条本文 旅館業を経営しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。第四項を除き、以下同じ。)の許可を受けなければならない。

 

旅館業は4種類!

旅館業法第2条のとおり、旅館業は次の4種類に別けることができます。

  • ホテル営業
  • 旅館営業
  • 簡易宿所営業
  • 下宿営業

この4種はそれぞれ許可を受けるための要件(構造設備基準)が定められています。

そして、民泊を営業として行うには原則として4種の内いずれかの要件を満たし許可を受けなければなりません。

 

「自宅の一部」で民泊をしたい!しかし、許可を受けるのは困難?

許可を受ける要件として「ホテル営業」では10室以上、「旅館営業」では5室以上と客室数が定められており、「自宅の一部」で民泊をお考えの場合はこの二つでの営業の許可取得は難しいように思えます。

残すは「簡易宿所営業」か「下宿営業」ですが、「簡易宿所営業」は客室の延床面積が33平方メートル以上必要とされており、また「下宿営業」では1ヵ月以上の期間を単位とする営業を想定したものです。

すでにある「自宅の一部」を有効活用したくとも、許可要件を満たせないことも十分考えられるのです。  

 

民泊してますか?

こうした法律の存在を知らないままに気軽に民泊によるサービス提供を業として行っている方も多いようです。

しかし、上のとおり無許可営業は旅館業法に違反しており、いつ取り締まりを受けてもおかしくありません。

政府としては民泊に関して規制緩和の流れ(国家戦略特別区域に定められた地域で一部民泊合法化の動きも見られます)にあるようですが、営業できる法的な根拠がなければ依然違法な状態ですのでご注意下さい。

 

規制緩和に関する情報

上記内容投稿時(2015年11月)以降、2016年4月に一部規制が緩和され、「簡易宿所営業」の場合の許可要件として「客室の延床面積が33平方メートル以上」必要であった基準が、「一度に宿泊させる宿泊者数が10人未満の施設の場合には、宿泊者1人当たり面積3.3平方メートルに宿泊者数を乗じた面積以上」と改正され、必ずしも「客室の延床面積が33平方メートル以上」でなくとも許可を受けることが可能となりました。

(改正情報の詳細は厚生労働省のHP等でご確認いただけます)

従前の規制よりも民泊が身近になったと言えそうですね。

 

民泊新法(住宅宿泊事業法)について

民泊新法(住宅宿泊事業法)については別の記事「民泊新法(住宅宿泊事業法)施行から一月半」をご覧ください。