いつもお世話になっております。

愛知県常滑市の行政書士加藤です。

家

平成27年10月28日より渋谷区で「パートナーシップ証明書」の交付申請の受付が開始されましたね。

パートナーシップ証明って何?

タイトルの「パートナーシップ証明」ですが、何の証明かご存知でしょうか?

パートナーシップ」という言葉は一般的には協力関係を意味します。

しかし、本稿では「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例(※)」第2条によって定義される「男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備える戸籍上の性別が同一である二者間の社会生活関係」の意味で用いることとします。

そして「パートナーシップ証明」とは、実質的には婚姻関係と異ならない社会生活を営む同性カップルについて「パートナーシップ」の関係にあることを渋谷区長が確認し「証明」するものです。

(※)同条例は「男女の人権の尊重」と「性的少数者の人権の尊重」を基本理念とし、2015年3月31日区議会で成立し、同年4月1日に施行されました。

証明によって得られる法的権利は?

証明を受けた同性カップルは、区営住宅等への入居資格としての「親族」に含まれることになるようです。また、生命保険の受取人としての「親族」や、医療措置を行う際の同意を要する「家族」、職場での家族手当の支給条件としての「家族」等、様々な場面での「親族」又は「家族」に含まれるように定義の改善が期待されています。

しかしながら、婚姻関係そのものではないため、相続の対象にはなりません。パートナーに財産を残したいのなら、遺言書の作成等の備えが必要となります。(他にも、税制上の配偶者控除や社会保険の被扶養者制度等も対象外です)

証明してもらうには?

まずは、対象者の要件として次のことが求められています。

  • 渋谷区居住、かつ住民登録があること
  • 20歳以上であること
  • 配偶者のいないこと、及び相手方当事者以外のパートナーシップがいないこと
  • 近親者でないこと

さらに証明にあたっては次の二つの公正証書による確認を原則としています。

  • 任意後見契約に係る公正証書…相互に相手方を任意後見受任者とし登記していることを確認します。
  • 合意契約に係る公正証書…「二人が愛情と信頼に基づく真摯な関係であること」及び「二人が同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、及びその共同生活に 必要な費用を分担する義務を負うこと」についての合意契約に係る公正証書が作成されていることを確認します。

これから育つ制度

日本国内初ということで、「性的少数者の人権の尊重」という意味では非常に意味のある条例だと考えられますが、法的な強制力が弱く相手方の行動を期待する部分が多くあります。(任意後見契約に係る公正証書の確認を証明の要件としているのも、法的強制力の弱さを補うためとだと考えられます)

現段階で十分な保障が実現されている制度とはいえませんが、他自治体で跡を追う新しい動きもでてきています。

この条例成立をきっかけに、今後大きく育っていく制度なのかもしれませんね。

 

 

愛知県でも今後何か新しい動きがあれば、またお知らせしたいと思います。

では失礼します。